シュレディンガー(Schrödinger)方程式の導出①

Hirokikiです。

今回はSchrödinger方程式の導出について勉強していきましょう。

Schrödinger方程式の代表的な式の形は

\Large\hat{H}\Psi=E\Psi\tag{1}

かと思います。 式(1)の\hat{H}ハミルトニアン演算子\Psi波動関数、Eはエネルギーです。

式自体はよくみるものの、どこからこの式が導かれたのかが自分自身よくわからず、 同じような疑問を持っている方が自分以外にもきっといるのではと考え、大まかな導出をこの記事でやっていきます。

式の導出には、まず重要な2式を導出し、その2式を組み合わせてSchrödinger方程式を導出します。 この記事では、仮定として1次元での場合とします。 その重要な2式は式(2)と式(3)です。

\Large{E}=\dfrac{p^2}{2m}+V(x)\tag{2}
\Large\dfrac{d^2X(x)}{dx^2}+\dfrac{4\pi^2}{\lambda^2}=0\tag{3}

ここでSchrödinger方程式の対象は光や電子などの量子ですが、量子は「粒子と波動の二重性」を持ちます。つまり式(2)は粒子性を、式(3)は波動性を表す方程式であり、それらをどちらも満たす方程式がSchrödinger方程式となります。

これから導出をしていきますが、ひとつの記事で最後まで導出すると長くなるため、順々に導出していきます。 式(2)はこの記事で導出し、次の記事以降で式(3)の導出、Schrödinger方程式の導出をまとめていきます。

それではここから式(2)の導出をしていきましょう。 式(2)は「粒子の全エネルギー」を表しています。

粒子の全エネルギーの一般的な式の形は

\Large{E}=\dfrac{1}{2}mv^2+V(x)\tag{3}

かと思います。一項目が運動エネルギー、二項目がポテンシャルエネルギーです。

ここで、粒子の運動量は

\Large{p}=mv\tag{4}

です。式(4)を式(3)に代入し、

\Large{E}=\dfrac{p^2}{2m}+V(x)\tag{2}

が得られます。

最後に、後々のため式を変形します。


\begin{aligned}
\Large{E}&=\Large{\dfrac{p^2}{2m}+V(x)}\\
\Large{E-V(x)}&=\Large{\dfrac{p^2}{2m}}\\
\Large{p^2}&=\Large{\{2m(E-V(x)\}}\\
\end{aligned}\tag{5}

今回はここまでです。 お疲れ様でした。

[参考文献]

これからはじめる量子化学―物理・数学のキホンからよくわかる! ―

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