シュレディンガー(Schrödinger)方程式の導出③

Hirokikiです。

Schrödinger方程式の導出の続きです。

前回の記事はこちらのURLです。

hashiwatashi.hatenadiary.jp

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前回は、波動方程式の解が波の変位式であることを確認を行いました。

式番号は前回の記事での番号を引き継いでいます。

この記事では式(3)を導出するために手順2に取り組みます。

\Large\dfrac{d^2X(x)}{dx^2}+\dfrac{4\pi^2}{\lambda^2}=0\tag{3}

全体の手順はこちらです。


1. 波動方程式より波の変位式が解となることを確認 \\
2. 波動方程式の位置と時間に関しての変数分離 \\
3. 波動方程式の位置に関する微分方程式の係数の算出

では始めましょう。


2. 波動方程式の位置と時間に関しての変数分離 \\

前回の記事(シュレディンガー(Schrödinger)方程式の導出②)にもある通り、 波の変位式である式(7)は位置xと時間tに関する式です。

\Large{y}=A\sin\{2\pi(\dfrac{t}{T}-\dfrac{x}{\lambda})\}\tag{7}

そのため、式(6)の微分方程式を解く際に変数分離という方法を使います。

\Large\dfrac{\partial^2y}{\partial x^2}=\dfrac{1}{v^2}\dfrac{\partial^2y}{\partial t^2}\tag{6}

つまり式(7)の変位yは、位置xと時間tの関数なのでy(x,t)と表し、 xだけの関数X(x)T(t)だけの関数の積で表されると考えます。

\Large{y(x,t)}=X(x)T(t)\tag{11}

式(11)を式(6)の両辺に代入します。

代入後、左辺ではT(t)が、右辺ではX(x)が各辺での演算子に依存しないため、 演算子の前に出します。次に両辺をX(x)T(t)で割り、左辺はxのみに関する式、右辺はt のみに関する式とします。


\begin{aligned}
\Large{\frac{\partial^2}{\partial x^2}\{X(x)T(t)\}}& =\Large{\dfrac{1}{v^2}\dfrac{\partial^2}{\partial t^2}\{X(x)T(t)\}} \\
\Large{T(t)\frac{\partial^2}{\partial x^2}X(x)}& =\Large{X(x)\dfrac{1}{v^2}\dfrac{\partial^2}{\partial t^2}T(t)} \\
\Large{\frac{1}{X(x)}\frac{\partial^2}{\partial x^2}X(x)}& =\Large{\dfrac{1}{v^2}\frac{1}{T(t)}\dfrac{\partial^2}{\partial t^2}T(t)} \\  
\end{aligned}\tag{12}

式(12)のように全く別の変数で決まる値が常に等しくなるには、両辺の値が定数である必要があります。そこで両辺の値を-Kとします。マイナスの符号は、項を移行した時に式が綺麗になるためです。


\begin{aligned}
\Large{\frac{1}{X(x)}\frac{\partial^2}{\partial x^2}X(x)}& =\Large{\dfrac{1}{v^2}\frac{1}{T(t)}\dfrac{\partial^2}{\partial t^2}T(t)} \\
& = \Large{-K}
\end{aligned}\tag{13}

式(14), 式(15)より、xのみに関する微分方程式tのみに関する微分方程式になることがわかります。


\begin{aligned}
\Large{\frac{\partial^2X(x)}{\partial x^2}+KX(x)}& = \Large{0}
\end{aligned}\tag{14}

\begin{aligned}
\Large{\frac{\partial^2T(t)}{\partial t^2}+Kv^2T(t)}& = \Large{0}
\end{aligned}\tag{15}

手順3は次の記事でまとめます。

今回はここまでです。

お疲れ様でした。

[参考文献]

これからはじめる量子化学―物理・数学のキホンからよくわかる! ―

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  • 作者:辻 和秀
  • 発売日: 2013/08/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)