シュレディンガー(Schrödinger)方程式の導出④
Schrödinger方程式の導出の続きです。
(式番号は前回の記事での番号を引き継いでいます)
前回の記事はこちらのURLです。
前回の記事から波動性を表す方程式の導出を行い、その続きの記事になります。導出を目指している波の方程式は式(3)です。
全体の手順はこちらです。
1. 波動方程式より波の変位式が解となることを確認
2. 波動方程式の位置と時間に関しての変数分離
3. 波動方程式の位置に関する微分方程式の係数の算出
この記事では手順3に取り組みます。
前回の記事で、波の微分方程式を位置xと時間tの2本の微分方程式だということを導出しました。
次に、波の一般式(t=0)を示します。
ここで、式16を式14に代入します。この時、をと考えます。
そうすると、
式17より、式18の時に右辺は0となります。
このことから、式18が解になります。
この結果をまとめると、位置xに関する波の微分方程式は式3となり、導出が完了しました。
次の記事でシュレディンガー方程式の導出が完成します。
やっとです。
今回はここまでです。
お疲れ様でした。
[参考文献]
これからはじめる量子化学―物理・数学のキホンからよくわかる! ―
シュレディンガー(Schrödinger)方程式の導出③
Hirokikiです。
Schrödinger方程式の導出の続きです。
前回の記事はこちらのURLです。
前回は、波動方程式の解が波の変位式であることを確認を行いました。
式番号は前回の記事での番号を引き継いでいます。
この記事では式(3)を導出するために手順2に取り組みます。
全体の手順はこちらです。
では始めましょう。
前回の記事(シュレディンガー(Schrödinger)方程式の導出②)にもある通り、 波の変位式である式(7)は位置と時間に関する式です。
そのため、式(6)の微分方程式を解く際に変数分離という方法を使います。
つまり式(7)の変位は、位置と時間の関数なのでと表し、 だけの関数とだけの関数の積で表されると考えます。
式(11)を式(6)の両辺に代入します。
代入後、左辺ではが、右辺ではが各辺での演算子に依存しないため、 演算子の前に出します。次に両辺をで割り、左辺はのみに関する式、右辺は のみに関する式とします。
式(12)のように全く別の変数で決まる値が常に等しくなるには、両辺の値が定数である必要があります。そこで両辺の値をとします。マイナスの符号は、項を移行した時に式が綺麗になるためです。
式(14), 式(15)より、のみに関する微分方程式とのみに関する微分方程式になることがわかります。
手順3は次の記事でまとめます。
今回はここまでです。
お疲れ様でした。
[参考文献]
これからはじめる量子化学―物理・数学のキホンからよくわかる! ―
- 作者:辻 和秀
- 発売日: 2013/08/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
シュレディンガー(Schrödinger)方程式の導出②
Hirokikiです。
Schrödinger方程式の導出の続きです。
前回の記事はこちらのURLです。
前回は、粒子性を表す方程式の導出を行いました。
式番号は前回の記事での番号を引き継いでいます。
この記事から波動性を表す方程式の導出を行います。導出する方程式は式(3)です。
式(3)を導出するための手順をまとめておきます。
では順番にいきましょう。
波動方程式は、波の運動を記述する運動方程式で、式(6)のように表されます。
一方、代表的な波の変位式は、式(7)のように表されます。
式(7)は位置と時間に関する式です。
式(6)の波動方程式の解が式(7)の波の変位式であることを確認するために、式(6)の両辺にそれぞれ式(7)を代入して確認します。
ではまず式(6)の左辺からです。
次に式(6)の右辺です。
ここで式(9)のは、式(10)に変形したものを代入しました。
式(8)と式(9)は等しくなることから、、式(7)の基本的な波の変位式であるが式(6)の波動方程式の解であることが確認できました。
2と3は次の記事でまとめます。
今回はここまでです。
お疲れ様でした。
[参考文献]
これからはじめる量子化学―物理・数学のキホンからよくわかる! ―
- 作者: 辻和秀
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2013/08/24
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